ブルーアトラス物語/第四章・ブルーアトラス誕生!      
                       
   

 隆一は練習に疲れていた。バンドの名前はなかなか決まりそうもなかった。

 ふと、夜空を眺めた。あまりにも綺麗な星の群れと明るい大きな月だった。その空に向かって数棟のマンションが立っている。そのマンションの中にシンボルのようにひと際そびえ立つ33階の建物があった。「あのマンション、アトラスタワーっていうんだけど、アトラスってどんな意味…」とふっと独り言のようにつぶやいた。「ね〜、ブルーアトラスってどうですかね?ゴロが良いと思わない!」これだと隆一は直感していた。「それに、この地域のシンボル的で皆アトラスって馴染みある名前だし…ね、うん、いいよ。ブルーアトラス…うん。」隆一にはこういうところがある。これ!と思うと突っ走る…。

 「まぁ、一案として…」長尾はまだ「オージーズ」が捨てがたい様子だったが「アトラスの意味、調べておくから…」と付け加えた。

 「そうですね。でも名前はあとで付いてくるものだから…、バンドで頑張れば、自然とね。」隆一は「これだ!ブルーアトラス…」ともう決めていた。

 

 数日後、「平井さん、長尾です」珍しく長尾から電話だった。「アトラスの意味だけど…ギリシャ神話で巨人族の神だって?わかる?あと、地図帖という意味もあるらしいよ…」「巨人ね〜、なーるほど、デカイ建物のはずだ〜」と隆一は答えた。そして「なんか意味もいいじゃないすか…」「それでいきましょうよ」隆一は珍しく押した。「そうだね、俺もなんかブルーアトラスが良い気がしてきたよ。あと今度の練習の時に皆に言うから…」オージーズをようやくあきらめた長尾であった。

 そんな二人の会話で「ブルーアトラス」は決まった。皆も「それで良い」ということになった。ようやくバンド名も決まって、歩き出したのは梅雨に入った6月半ばのことだった。

 

     
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