ブルーアトラス物語/第三章・猛特訓!  
                 
   

 「疲れた〜…ただいま〜」さすがに元気のない隆一だった。山田さんに借りたエレキギターがやけに重く感じた。隆一はギターを置くとその場に寝ころんでしまった。

 「どうしよう…やめっかな〜」「俺のいく場所じゃなかったよな…」と長尾さんから貰った楽譜を出してみた。バンドスコアとかって長尾さんが言ってたけど。確かに楽譜をよ〜く見ると、リードギター、2ndギター、ベースギター、ドラム…とそれぞれのパートごとにおたまじゃくしが踊っていた。「ん!?…4つのパートしかね〜よな〜。俺は必要ない…かな?」やっぱりまた沈む隆一だった。

 違う楽譜を見てるうちに、「ん〜、3rdギターっていうのもあるね〜。なんだ!これは…」確かにベンチャーズは4人だが楽譜には3番目のギター音が書かれてる…。「そっか〜、俺はここをやればいいのか…」なんとなく自分の居場所を見つけたような気がした。それにしても3rdギターは暇なパートだね。装飾音かな…、まぁいいっか。

 気を取り戻した隆一は、ようやく夕食を摂る気になった。

 夕食後も、隆一の頭の中には今日の屈辱的な思いと悔しさがいっぱいだった。しかし、生まれながらの負けず嫌いな性格は、このバンドを続けさせる原動力になったのは確かだ。一日でやめてしまう情けない結果だけはとりあえず回避できたのだった。

 寝るまで隆一は、楽譜から目を離すことはなかった。と同時に練習の時には飛んで見えたおたまじゃくしが、少しずつそのスピードが緩やかに見え始めてきた気がした。

 
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