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| ブルーアトラス物語/第四章・ブルーアトラス誕生! | ||||||||||||||||
その場の雰囲気は出る方向に動いた。「無謀ですよ……」坂口は山田の顔を見ながら「ねぇ、山田さんもそう思いますよね…」と同意を求めた。しかし「う〜ん…」と言ったまま山田の答えは出てこなかった。 少したって「皆さんが出てもいいというんならね〜」と山田は坂口の顔を見て少し気を使いながら話すと、一気に「じゃ〜権藤さんもいいですかね?坂口さん、度胸試しですから…あくまでも…ねぇ〜」と長尾はみんなの顔を見回しながらホッとした表情を浮かべた。 「ところで、いいんですかね?こんな3曲くらいで…」隆一は気になり出した。「どんな打ち合わせになってるの?」「いや、詳しくはまだだから、今度会長に会ったら聞いておくから…」「なんせ、時間ないですから…、7月の末じゃ、あとひと月しかないですからね〜」「まぁ、大丈夫でっしょ」隆一と長尾の会話が続いた。 練習が終わって帰るときは、同じ棟の隆一と山田はいつもマンションに着いてから立ち話をするようになっていた。 「ねぇ平井さん、どう思うすか〜」と山田は、いつも練習のあと話しをしてきた。この日も「坂口さんは出たくね〜んだよね」と年の近い二人の間では、そういう話しになっているみたいだった。「山田さんは…?」「オレはどっちでもいい。みんな出るっていえば…、ね〜。」「私はね、折角のチャンスだから、やってみたらと思うけど…、んでもね、ベンチャーズだけ3曲やってもウケねぇ〜よ?」「というと…?」「GS(グループサンド)でもいいから、歌をいれれば広がると思うんだけど…、山田さんどう思う?」「GS、いいすね〜、それなら曲が増えるし…、長尾さんはなんっていうかだね〜」「言ってみる…」「いくら何でも3曲では…恥はかきたくね〜し」隆一は山田とこうして話してるうちに、段々とバンドでの自分の位置が分かってきた。考えてみれば隆一が最年長であった。長尾は隆一のひとつ年下なのをこの間初めて分かったのだ。 |
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