ブルーアトラス物語/第一章・出会い  
         
 

 次の日曜日がやってきた。約束は3時だった。さ〜て、どんなやつが来るのかな〜。不安と期待が入り交じりながら、スタンドの前のレストランに入っていった。

 キョロキョロしていると「あれ〜、平井さん」と40歳くらいの元気の良い、調子の良さそうな男がニコッと笑いながら声を掛けてきた。「私、同じ棟の山田です〜。管理組合でお世話になってる〜」 「あ〜、そうですよね。見たことある人だな〜って」この男の人の名前が山田さんだと初めてわかった。「今日はなんですか?なんかの集まり?」「いや〜、今度バンドやることになってね〜」「はぁ〜、バンドって…」確かにその周りには4人の男達が会釈しながらこっちを見てた。

「どうも、長尾です〜」「どうも平井です。先日はお電話で…」そんな挨拶をしてるうちに「坂口です」「権藤です」と次々に名乗ってきた。名前を覚えるのが苦手な隆一は、「は、はい…」と一生懸命に暗記しようとしていた。

「え〜、私、長尾です。言い出しっぺなので、進めますが…」

「私は、ベースをやります。山田さんはドラムですが、問題はあとの3名がどこのポジションで〜」

「あのー、ところでどんな曲をやるんでしょうか?」 考えてみると一番肝心な話がまだしてなかったことに気がついて、聞いてみた。

「あーそうでした。私は前のバンドでオールディーズをやってまして…あっ〜別にそれにこだわる気はないいんだけど…」と長尾さんが言うと「私はビートルズがやりたくて…」と頭をかきながら一番若い坂口さんが言い出した。

「あーいいですね〜!」と言いながらヘラヘラと笑った。山田さんはやっぱり調子が良さそうである。 権藤さんはさっきから無言である。

「平井さんは、どんなのを…」長尾さんが聞いてきた。

 

 
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