ブルーアトラス物語/第一章・出会い  
         
 

 隆一がバンドのポスターを気にしながらも動けなかったのは、そんな経歴しかない自信のなさであった。でもそれでも気になる…。ポスターが隆一に「おいで〜」と誘ってくる…。どう仕様かな〜が続いてる時に「たかが町内のオヤジが集まってやるバンドじゃないの、詰らなかったらやめればいいでしょう…」と煮えきれない隆一に真保が言った。

 そっか〜、そうだよね。どうせ町内のオヤジ達の集まりだよね。詰まなかったらすぐやめればいい…。その時にはもう隆一はダイヤルを廻していた。

 「あの〜、バンドの件でお電話したのですが」 隆一は少し緊張していた。

 相手は名乗るとすぐに「はーい、どうも。楽器はなにやれます?」と聞いてきた。

 「え〜、ギターです。コード弾ける程度ですが…」 急に聞かれたので慌ててて答えた。

 「あっ、そうですか…ギターは3人応募があって…」少し冷めた感じだった。

 「そ、そうですか…じゃ、もう一杯ですよね」何故かホッとした隆一であった。

 「ベースが私で、ドラムももう居るんですよ。キーボードがいないから、キーボードならすぐに欲しいんだけど…」

 「じゃ、いいんですよ。無理に…」 諦めながら隆一は答えた。

 電話の相手も申し訳ないと思ったのか「でも折角ですから、どうです、もう5人揃ったので集まろうと思うんだけど…」

 「はぁ〜…」 えっ!ヤバイことになったな〜、でも大したことなさそうだし、嫌ならやめればいいんだから…と開きなおる隆一。

 「今度の日曜日スタンドの前のレストランでどうですか?」

 「はぁ〜、いいですよ…」 とは言ったものの自信のない隆一であった。

 
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